オーバーツーリズムについて考えてみた!(後編)
今日のコラム♪
『オーバーツーリズムについて考えてみた!(後編)』
さて、
今日のテーマも、先週からの続きで
「オーバーツーリズム」になります。
できれば、
前編から読んでいただけると
話も繋がりやすいかと思います。
後編では、
「オーバーツーリズム」に対する
様々な事例と対策について
見ていきたいと思います。
前編でも、
オーバーツーリズムによる問題に
少し触れましたが、
根本的な問題は、
「住民と観光客の共存が難しい状況」
となってきており、
その解決策に追われている状態
にあることです。
「オーバーツーリズム」が問題視
されるようになったのは、
「インバウンド」と呼ばれる
海外からの旅行客向けのビジネスに、
国の経済政策として取り組んだことで、
旅行者が急増した2016年頃からです。
この頃から、
電車など、交通系の車内放送や、
観光地の案内表示などに
英語をはじめ、中国語、韓国語など
が取り入れられました。
2021年(コロナ禍で1年延期)に
開催された「東京オリンピック」や、
2025年に開催予定の「大阪万博」も
このインバウンド政策の一貫です。
では、
国内の事例をいくつか見ていきましょう。
以前、ブログでも紹介した
広島県の「宮島」では、
今年(2023年)の10月から
訪問税を¥100/人を徴収する
ことになりました。
この政策は、
観光客を制限するものではなく、
ゴミ処理問題や、公衆トイレなどの
新築、改修工事などにより、
観光客を受け入れるインフラを
きっちりと整えていくことが目的です。
また、
私の住む京都では、市バスの
「一日乗車券」が今年の9月末で
廃止されることになったようです。
これは、
観光地を経由する系統のバスなどで、
地元住民が、混雑で乗れない状況が
続いていたため、混雑緩和を
目的として、廃止を決めたようです。
この時期(11月)は、
紅葉観光などで特に混雑する時期で、
バスも増便などで対応していますが、
それでも大変な混雑状況です。
このような交通インフラに関わる問題は、
他の場所でもあるようです。
また、
写真映えするようなスポットが多い
場所では、道路上で観光客が写真
を撮っているなど、マナー違反が
後を立ちません。
しかし、
この問題には、
各国の交通文化の違いもあって、
なかなか難しいところもあるようです。
このように、
地元住民が住みづらい環境に
なっているような状況では、
たとえ観光客で賑わっていたとしても、
いい状態だとは言えないのです。
また、
観光客をどんどん受け入れていくと、
徐々に、地元のお店がなくなって
観光客向けのお店に置き換わったり、
投機的な土地の転売などが増えて、
地元住民が減っていくような悪循環
になっている観光地もあるようです。
このような事例は、
観光産業を受け入れても
まったくの逆効果です。
地元住民が少なくなれば、
住民税等の税収が減り、
地元住民の助け合いなどによって
成り立っていた場所も徐々に廃れて
いくような状況も増えているようです。
一時的な観光資源の売り上げによる
収入だけでは、結局はやっていけない
状況になっていくのです。
しかし、逆のことも言えます。
特に交通系インフラなどは、
観光客が来てくれるからこそ、
維持できているような場合も
ありえるのです。
そのため、
「オーバーツーリズム」対策に
困っていても、
一概に観光客を制限するような
施策になかなか踏み切れないところも
あるようです。
このように「オーバーツーリズム」に
関わる問題は、様々な事情が重なって、
解決策もそれぞれに異なってきますし、
大変難しい問題だと思います。
ただ、私が思うことは、
地元が潤うことも、
もちろん大切なことですが、
住民の方が、住みやすい環境が
あってこその「観光産業」では
ないでしょうか。
そのためには、
大きな収入源を目指すことはやめてみる
勇気も必要なのかもしれません。
たとえば、
(その観光地の状況にもよりますが)
観光バスや大型客船などで来られる
団体ツアー客の受け入れをやめて、
個人の旅行客のみを受け入れることも
1つの対応策ではないかと私は思います。
地元の人たちと旅行客が一緒になって
コミュニケーションがとれるような
仕掛けを整備していくことが、
地元住民にとっても、
その土地を訪れる人たちとっても
喜んでもらえるような気がします。
私は、「旅」の醍醐味とは
地元の方とのコミュニケーションだと
この年になって思うようになりました。
さて、
思いもよらず、
2週に渡って書いてきましたが、
いかがでしたでしょうか。
あなたも
この機会に「旅」って何のために
するのだろうかと問うてみることも
いいかもしれませんね!(^_-)
では、今日はここまで~♪