イベント開催における新たな視点 ~サステナビリティ~
今日のコラム♪
『イベント開催における新たな視点
~サステナビリティ~』
今日は、
前々回(4月7日)のブログ
「改正 障害者差別解消法」に続いて、
これから知っておくべき
もう1つの「新しい視点」
をお伝えしていきます。
今日のテーマは、
「サステナビリティ」です。
「サステナビリティ」とは、
「環境や経済等に配慮した活動を
行うことで、社会全体を長期的に
持続させていこうとする考え方」です。
「改正 障害者差別解消法」では、
企業に対して、努力義務から
義務化されたことをお伝えしました。
この「サステナビリティ」においても
2023年1月31日に改正された
「企業内容等の開示に関する内閣府令等」
によって、
企業は、「サステナビリティ情報」を
開示することが義務化されているのです。
「サステナビリティ情報」とは、
企業が環境・社会・経済の3つの観点から、
持続可能な社会の実現に貢献するために
行っている活動や取り組みの情報のことです。
今回は、このような状況の中で、
展示会などのイベントを計画する際に
「サステナビリティ」を踏まえ、
検討しておくべきポイントを
みていきたいと思います。
では、まず
見本市などの展示ブースを例に
見ていきましょう。
これまでは、
ブース制作といえば、
木工などで「作って捨てる」
タイプが大勢でした。
しかし、
この木工タイプは、
イベント終了後には、
かなりのゴミを排出します。
とはいえ、
こだわった形状などを演出する場合は、
自由度が高い「木工タイプ」で制作する
ことがまだまだ多いのが実情です。
しかし、
特に昨年あたりからですが、
各社のブース展示の演出がシンプルに
なってきている感があるのです。
「サステナビリティ」の
意識度が高い企業では、
再生可能な什器を採用するところも
増えてきているようです。
また、
使用する電力量なども
「サステナビリティ」の観点から
意識しておくべきポイントです。
一例として、数年前までは、
大型モニターを使用する展示ブースが
年々、増加傾向にありました。
規模の大きなブースでは、
60型前後の大型モニターを
数枚から数十枚を縦/横に並べて
巨大な「マルチディスプレイ」を作り、
圧倒的な映像を見せる演出も
多く見られました。
次第に、
この「マルチディスプレイ」も
使用電力が少なく、設置も比較的簡単な
「LEDビジョン」(※)へと
置き換わっていきました。
※よくアイドルのコンサートなどで、
ステージ上に巨大なビジョンがありますが、
あれが「LEDビジョン」です。
これが、近年までの状況でしたが、
この大型ビジョンも、昨年あたりから
様相が変わってきています。
ここ最近では、
見本市などのイベント会場では、
LEDタイプの大型ビジョンを
目にする機会が、
随分と減ってきているのです。
この現象が、「サステナビリティ」を
意識した結果であるかどうかまでは
わかりませんが、
方向性としては、「派手な演出」は、
減少傾向にあるようです。
では、次に
イベント運営においても、
「サステナビリティ」の観点から
検討しておいた方がよいポイントを
見ていきましょう。
まず、
実施するウェイトが高いものに、
「飲食スペース」などがあります。
この場合、飲食の提供には、
「食品ロス」への配慮、
容器や食べ残しなどの「ゴミ削減」
への対応策などが求められます。
たとえば、
容器などは、
プラスティックではなく、
再生紙を使ったもので提供
するのもよいかと思います。
食事の提供の仕方も
食べ残しのゴミを無くすために、
一定の量ではなく、個々がそれぞれ
必要とする分量だけ提供するなどの
工夫も良いのではないでしょうか。
他にも、
来場者が「サステナビリティ」に
貢献できるような企画などを入れて
おくことも一考の価値があります。
たとえば、
スポーツ系の物販イベントであれば、
リユース事業者などとコラボして、
不要なシューズやウェアの回収コーナー
を設けるのもありかもしれません。
一定のルールを設けて、「飲食券」と
交換するなどの工夫をすれば、
来場者も関心を持ってくれるでしょう。
さて、ここまで
いくつか事例をあげてみましたが、
参考になるものはありましたか?
これからのイベントのあり方として、
企業単独の場合はもちろん、
見本市などにおいても、
全体を統括する「サスティナビリティ」
に関する一定のルール提示が必要に
なってくると思われます。
何かの見本市で、出展社として
参加する場合にも、この観点において、
自社でできることを展開することが
必要な作業になってきます。
すでに、
私の得意先である某メーカー様に
おいても、
展示会等でトラック配送における
「CO2削減案」の提示を
求められている状況です。
このように、
今後は、様々なイベントにおいて、
循環型(サーキュラー)を
前提とした運営が
主流になってくるでしょう。
実は、
今回、取り上げてきた事例は、
「オンライン化」することで、
かなり解決する面もあるのです。
しかし、
イベントは「リアル」でないと
伝えきれないことも多いことが、
コロナ禍によって認知されました。
そのため、
リアルイベントを行う上で、
いかに「サスティナビリティ」の
意識づけをしていくかが、
今後は重要となってくるでしょう。
そして、
「サスティナビリティ」を意識した
取り組みは、「主催者」サイドだけでは
実現することは難しいのです。
「来場者」の意識も
変わっていかないといけません。
私たちにとって、
「サスティナビリティ」の概念は、
頭では理解していても
実際に何か行動に移す機会は
それほど多くありませんでした。
これからは、
「サスティナビリティ」の概念は、
避けては通れないと考えておいて
ほうがよいかと思います。
私自身も、
今後の『イベント工房わくわく』の
基本方針として、
地球に生きる私たちに何ができるのか、
一人一人が考え、行動するキッカケを
様々な「イベント」を通じて、広がって
いくことを目指していきたいと思います。
イベント制作に携わる皆さまにも
今後のイベント制作、イベント運営の
参考にしていただけると幸いです。
では、今日はここまで~♪