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漫画『はだしのゲン』に思う

 

今日のコラム♪

 

『漫画『はだしのゲン』に思う』

 

今日は、私見的なお話になります。

 

しかし、

最後に、教育論的な視点も少し

書いていますので、もしよければ、

読んでみてくださいね。(^_-)

 

さて、

タイトルにある『はだしのゲン』は、

原爆の被ばく体験を元にしており、

作者である中沢啓治さんの

自叙伝的な漫画です。

 

読んだことがない方のために

以下に、簡単に「あらすじ」を

ご紹介しておきます。

 

*****************

 

主人公は、中岡ゲン。

昭和20年(1945年)8月6日、

アメリカの爆撃機によって、

原子爆弾が投下され、

この爆撃により、5人家族だったゲンは

父、姉、弟の3人を亡くします。

 

その後、生き残った母とゲンは、

母の友人のところで世話になりながら

なんとか生活をしていた。

 

母は、その後に女の子を出産。

その子は、友子と名付けられた。

 

しかし、

妹の友子は、栄養失調によって、

母も、ゲンが中学校へ進学する頃に

原爆症で亡くなってしまう。

 

ゲンは、いつしか恋人もできるが、

その恋人もまた、

原爆症による急性白血病で

亡くしてしまう。

 

大切な人を次々と失っていく

ゲンだったが、やがて

画家を目指すようになる。

 

****************

 

この漫画は、広島市教育委員会で、

長年にわたって、「平和教育教材」

として使われていました。

 

しかし、最近になって

指定教材からはずされたのです。

 

他の学校でも、『はだしのゲン』

図書館から除外するといったことも

おきているようです。

 

その理由に少し疑問を感じたので、

今日のブログに書いてみようと

思ったのです。

 

私は、この漫画を小学生の頃に

一気に読みました。

 

確か、小学5年の夏休みに、

担任教師からクラス全員に回して

読んでほしいと言われ、

回し読みをしたのです。

 

全10巻の漫画でしたが、

1日で読破したのを覚えています。

 

読後は、なんともいえない感情に

飲まれて、呆然としていたような

記憶があります。

 

この『はだしのゲン』は、

20ケ国語に翻訳されています。

 

海外では、受け止め方や解釈は

様々ではありますが、

 

世界的に評価は高く、海外でも

学校教材として使われている

ところもあると聞きます。

 

しかし、国内では以前から

様々な議論があったようです。

 

残酷な描写、過激な表現

日本軍や天皇陛下への視点

特定のイデオロギー植え付け

 

これらの内容に対し、

疑問視する声があるのです。

 

他にも

ストーリーの中で、生きるために

食べ物を盗むシーンがあるのですが、

 

人のものを盗むことはよくないことで、

このシーンは、子供に悪い影響を与える

といった意見まであります。

 

「現代の教育によくない」などいうのは、

論外だろう と私は思います。

 

これが、当時の必死で生きる子供たちの

リアルだった ということを理解する力も

必要なのです。

 

「イデオロギー」にしても、

様々な思想があることを学ぶことは、

大切な教育の一環です。

 

そこから

自分はどう感じ、どう考えるのか

という視点も必要ではないでしょうか。

 

私は、

『自分の意見』を持つということ

私たち日本人に抜け落ちているように

感じるのです。

 

もちろん、現代の視点から見れば、

様々な疑問もあるだろうと思います。

 

しかし、

これが、当時の作者にとって

目にしたすべてであり、リアルなのです。

 

どう感じるかは、

人それぞれにあると思います。

 

しかし、

良い、悪いといった視点で

読むものではないと思います。

 

ある人の視点によって、

戦争というものが語り継がれることが

もしも悪いことなのであるとすれば、

今の歴史の授業は、すべてアウトでしょう。

 

この「はだしのゲン」の問題は、

もっと本質的な部分に視点を広げて

議論を続けていってもらうことを望みます。

 

このような議論は、

「はだしのゲン」に限ったことではなく、

教育現場には、多くあるように思います。

 

私は、そろそろ教育の「あり方」にも

多様性を学ぶ機会を取り入れていっても

いいと思うのです。

 

漫画「はだしのゲン」が、

指定教材からはずされることで、

話題になったことがきっかけとなり、

「日本の教育のあり方」について、

もっと議論されるようになることを願います。

 

さて、

今日は、少し小難しい内容になりましたが、

最後まで読んでいただいたあなたには、

感謝です! ありがとうございます。

 

では、今日はここまで~♪

 

《編集後記》

 

同じ戦時中を描いた作品で、

『火垂るの墓』をご存知の方は

多いと思います。

 

この作品は、

1988年に、ジブリ作品として

アニメ化もされました。

 

この作品も家族を失った

ある兄妹の話です。

 

幼い妹を守りぬく兄の生き様を

描いていますが、

心をしめつけられるような作品です。

 

『はだしのゲン』『火垂るの墓』

もし機会があるのであれば、

ぜひ見てほしい作品だと思います。

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